色んな組合せができる
無垢のダイニングテーブル。

お届けした家具

分割できる3wayダイニングテーブル
キッチン用ハイスツール
3連スツール

家族構成

ご夫婦二人

お住まい

新築

ヒダコレを知ったきっかけ

検索→ご来店

お部屋の仕様や生活スタイルは人によって千差万別です。
限られた空間を生かして暮らしにあった家具が欲しい、そんな想いのお客さまにヒダコレの『カスタムオーダー家具』はぴったりです。

京都にお住まいのY様は、ご自宅の新築をきっかけにダイニングテーブルを探されていました。Y様のリビングには写真にあるような丸太の柱があり、お部屋の素敵なアクセントとなっています。ただ、ダイニングテーブルを置くスペースやサイズが限られてしまいます。普段はご夫婦お二人の生活なので大きなダイニングテーブルは必要ないのですが、来客があった時などに対応できるようにしたいというご希望でした。
店舗にご来店いただいたY様からご希望などお話を伺い、お部屋の図面を見せていただき、提案をさせていただくことになりました。

ヒダコレが最初にご提案したテーブルの図面がこちらです。

お部屋のアクセントである柱を活かして、柱がまん中に収まるようにテーブルをカットするというプランです。これはY様にとっては少し一般住宅向けではないかも、ということで保留になりました。その後も提案したプランへの感想などを伺いながら修正をくり返していきます。こんな風にお客さまと一緒に考えながら、少しずつお客さまのご希望に近づけていきます。

そして、最終的に決まった図面がこちらです。

1200mm×600mmの横長のテーブル2台の組合せです。
組合せ方によって正方形、L字カウンター、横長カウンターの3通りの使い方ができます。
また、それぞれ別々の場所で使うこともできるフレキシブルなテーブルです。
テーブルの脚は2本1組にすることによって、正方形として使うときは向きを変えて取付けられるようにしてあります。座った時に邪魔になることなく、見た目もスッキリ。

図1:長方形テーブル単体の場合の脚

図2:正方形テーブルとして使う場合の脚

このプランでOKをいただけましたので、使用する樹種の選定をし、お見積りを出させていただきました。(Y様は木目がはっきりしてナチュラル感のあるニレ材を選定)

図2のように脚を取付けたところ。
図2のように脚を取付けたところ

ヒダコレのカスタムオーダー家具は、設計からお見積りまでは一切コストがかかりません。
お支払いは「これを注文します」と決めていただいてからで大丈夫ですので、皆さんお試し感覚でお気軽にご相談いただいています。

ご注文いただいた家具は、図面をもとに自社工房で家具職人が心を込めて製作しています
ご注文いただいた家具は、図面をもとに
自社工房で家具職人が心を込めて製作しています

そして納品。ヒダコレでは小家具以外は基本的にスタッフが直接お届けし、お部屋の中に設置させていただいています。お客さまにとってオーダー家具というのは、お届け時に初対面となります。お客さは「本当に想い描いていた家具ができたのかどうか」ドキドキの瞬間でしょうが、それはお届けするスタッフにとっても同じ、いえ、それ以上にドキドキする瞬間なのです。

Y様からは「控えめに言って…最高です!嬉し過ぎて嬉し過ぎて、本当にありがとうございました!」というシンプルながらも想いの沢山こもったメールが届き、接客・設計・製作・お届けしたスタッフそれぞれがホッと胸をなでおろした瞬間でした。

始まりは一つのダイニングテーブルですが、
結果3通りの使い方ができるフレキシブルなテーブルを
完成させることができました。
キッチンにスツールが一つあると、
料理の合間にちょっと腰掛けられて楽ですね。
木目が繋がる3スツールは見た目の美しさだけでなく、色んな用途で使えるので便利です
木目が繋がる3スツールは見た目の美しさだけでなく、
色んな用途で使えるので便利です。

それぞれの暮らしに合ったオーダー家具は、生活が快適になったり、機能性を高めたり、暮らしを少しだけ豊かにしてくれます。また、天然木の風合いが美しい無垢の木で作ることによって、『組合せが自由』という機能的価値だけでなく、『心地いい』『愛着が湧く』といった情緒的価値も生み出してくれるのです。

こんな部屋にしたい、こんな暮らしをしたいけど、自分にぴったりの家具がみつからないという時は、ぜひ一度ヒダコレにご相談ください。私たちと一緒に考えながら、お客さまだけのお気に入りの家具を作るお手伝いをさせていただきます。

簡単にできる
「おうちでメンテナンス」のススメ

ここまで〈おうちでメンテナンスプロジェクト〉として、みなさんがテーブルを長く使い続けるためにご自宅で簡単にできることをいくつかご紹介してきました。では、みなさんとこのプロジェクトを進めた先に、どんな社会の姿を描いているのか。そもそもこのプロジェクトはどこに向かっているのか。最後に、少しだけお話しさせてください。

大きな循環へ

国連がさだめた「持続可能な開発目標」。通称〈SDGs〉には、持続可能な世界を実現するために、2030年までに達成すべき17の目標が設定されています。

その中のひとつに「つくる責任 つかう責任」があります。観光や補助金のあり方にも触れるこのトピックでは、生産者と消費者、どちらにも求められる「責任ある行動」が記されています。生産者だけががんばるのでもなく、消費者だけが毎日の行動を変えるのでもない。日々の暮らしのなかで、互いの役割を果たす。ただそれだけで、世界はもっと身近なものになっていく。そんな未来の姿が込められています。

森と暮らしだって、そうなのです。木が育つ森とわたしたちの暮らしは、30年以上前と比べて、ずいぶんと近づいてきました。木は、形を変えて色を塗れば何にでも変わって、いくらでも使える便利な素材なのではなく、大切にしたい隣人として迎え入れるような、そんな存在になりつつあります。ちょっとした毎日のことで、川上の「森」と、わたしたちのような「家具のつくり手」、そして川下の「暮らし」がつながっていく。遠かったはずのものと、手で触れられるものがたしかにめぐっている。そんな「大きな循環」への実感を、今のわたしたちはいくらかはっきりと想像できるようになってきたのではないでしょうか。

小さな輪をつなぐ

そんな喜びが、もっともっと広がっていくといいですよね。じゃあ、どうしたらつくり手とつかい手の輪っかを広げられるのでしょうか。「持続可能な世界」を包みこむような、大きな輪っかはどのように実現できるのでしょうか。

誕生日パーティーで部屋に飾るペーパーチェーンを思い出してみましょう。そうです。あの、壁に掛ける紙製の小さな輪っかを繋げてできたアレです。ひとつずつは小さな紙片をくるっと巻いただけにすぎないもの。でも、そんな輪をつないでいくと、いつのまにか、お祝いの場をつくる大きなつらなりとなります。これを循環のモデルにしたいのです。ひとりが、すべてをつくりあげてしまう立派な飾りつけ、ではありません。別のひとのがんばりといつでもつなげることができる、そんな循環のモデルです。「大きな循環」とはきっと、ひとつの線で結ばれているのではなく、拡大してみれば小さな輪っかのつらなりでできあがっているのではないでしょうか。

ヒダコレ家具が果たす「つくる責任」は、そんな大きな循環をみなさんと一緒につくれる小さな輪っかにまで分解して、またつなぎなおす。そんなあり方を理想としています。それは、普段のオーダー家具の制作に並行していくつも走らせている、いくつかのプロジェクトにも表れています。せっかくの丸太だからこそ、チップ用材だけに流してしまうのではないありかたを目指す〈丸太から家具を考えるプロジェクト〉。そしてそこから派生した〈カスタムオーダー家具〉。これらは、みなさんが「つかう責任」を果たせるようになるまでをも「つくる責任」に含める。そんな態度の表れです。

もっと近くに

これらのプロジェクトは、がらりと大きく社会を変えるようなことはないかもしれません。それでも小さな輪を増やすことは、大きな循環へと確かにつながっていく。そう信じています。そして、この〈おうちでメンテナンスプロジェクト〉もそのうちの1つなのです。

先に挙げた2つのプロジェクトが、みなさんが「使うもの」の選択肢を増やすことを目指したものだとすれば、〈おうちでメンテナンスプロジェクト〉が目指すのは、みなさんの「使いかた」の選択肢を増やすことだと言えそうです。みなさんがテーブルを迎えてからでも、大きな循環に加わることができる。森と暮らしは近づくことができる。メンテナンスはささやかではあるけれど、そんな広がりのあるアクションなのです。

INTRODUCTION「大切な家具をもっと大切にする」では、テーブルを迎えてしばらく経った後、もう一度愛着を思い出してもらう暮らしのあり方をご提案しました。

No.1「テーブルのお困りごとは、この3つ」では、日々の生活にある小さな選択でさまざまなお困りごとも解消できることをご紹介しました。

No.2「テーブルは「水拭き」してはいけない!」では、当たり前だと思っていた手入れの「実は…」のご紹介を。

No.3「実際にやってみよう!テーブルのメンテナンス方法」は、実践編として、自分たちの手を動かしてできるたくさんのことを、改めて整理しました。

これらが、みなさんの心地よさや喜びにつながっていくのは、何より、森と暮らしが巡り合っている、その実感からくるものだと信じています。

テーブルなど家具のメンテナンスには、おうちでできる簡単さだけでなく、森と暮らしがぴったり寄り添う喜びも含まれています。そして、こうした実感をより確かなものにするべく、ヒダコレ家具では「家具循環システム」の取り組みを本格化させた新たな事業をスタートさせる予定です。

大きな循環に向けて、小さな輪をつなぎ、暮らしと森とがもっと近くにいられたら。そう願うみなさんのことを、わたしたちはいつでもお待ちしています。

実際にやってみよう!
テーブルのメンテナンス方法

テーブルをお迎えしてから1年ぐらい経つと、少しずつ表面のヨゴレに気づくようになってきます。早速メンテナンスの具体的な方法に入りましょう。

大まかな工程として【泡あらい→ペーパーがけ→オイル塗装】という流れになります。テーブルの表面の状態にもよりますが、「ヨゴレ」が少ない場合は「泡洗い」は省略することもあります。

メンテナンスをする時期やタイミングは、特に決まりがある訳ではありません。小さなお子さんがいるなどの家族構成や暮らし方によっても変わってきます。また「今日はいい天気だから、みんなでしようか」など、気分に合わせてやってみるのもいいかもしれませんね。

シミがついたりマジックがついたものを、そのまま何年も放っておいた後にメンテナンスしても手遅れなんてことはありませんのでご安心ください。

ただ一つ条件があります。先の「水拭きをしてはいけない!」の中で説明したとおり、普段から「水拭き」の回数が少なく「乾拭き」をメインにしていることが大切です。もし毎日毎日「水拭き」だけを繰り返しているとしたら、テーブルの上が「水垢」でいっぱいになっているので、簡単にメンテナンスは出来ない状態になってしまいます。

ご用意いただくもの

1. 泡あらい
・ボウル
・泡立てネット
・水
・石鹸(食器用洗剤でもOK)
・スポンジ
・ふきん 2枚

2. ペーパーがけ 
・サンドペーパー(#360〜400程度のもの)

3. オイル塗装
・綿生地の布
・オイル(オイル種別についてお困りの方はお問い合わせください。)

※必要に応じてエプロンを着用しましょう

1.泡あらい

まずはヨゴレを落としていきましょう。表面に付着した油分を泡で浮かせ、乾拭きによってゴシゴシ拭き取っていくイメージです。ヨゴレとはテーブルの表面に付着したものですが、実際は見えないものがほとんどです。

普段毎日「水拭き」をしているという方は、事前の「泡あらい」だけを何日もかけて何度も繰り返ししておく必要があります。その後に「ペーパーがけ」「オイル塗装」へと進めてください。

○「泡あらい」の工程

1.ボールにカップ1杯程度の少量の水を入れ、ネットで石鹸を泡立てます。食器用洗剤でも大丈夫。たっぷりと泡立ててください。

2.水を軽く含ませたスポンジに泡を乗せたら、さっそくテーブルを磨いていきましょう。

3.いきなりテーブル全体に広げるのではなく、肩幅と同じくらいの範囲から順々にスポンジで磨きます。

4.磨いた部分を泡用の布巾で拭きあげます。

5.次に、乾拭き用の布巾で、ゴシゴシと力をいれましょう([ポイント] 油分の膜を取るため乾いた布で力強く拭き取る)。

6.3-5を繰り返して、天板全体を段階的に洗います。ふきんが黒ずんできたら、ヨゴレが取れている証拠です。

※少しの面積ずつ「洗い・拭き取り・ゴシゴシ乾拭き」を繰り返すことが大切です。

いかがでしょうか。綺麗そうに見えても、意外と汚れていたことがお分かりになるかと思います。木の導管にヨゴレが詰まってしまうと、オイルが浸透していかなくなりメンテナンスができなくなってしまいます。「水拭き」をしなければ導管はつまりませんので、これからは「乾拭き」をメインにしていきましょう。

2.ペーパーがけ

さて続いては「ペーパーがけ」ですが、「泡あらい」でテーブルの表面のヨゴレが落とせたら、次はテーブル表面を滑らかにしていきます。無垢の木が持っている油分などが抜けると、木の表面の木目が立ってきて少しザラザラしてきます。そのザラザラを滑らかにすること、そしてまだ表面に残っているヨゴレを取ること、それが「ペーパーがけ」です。

ペーパーがけをするとテーブルの表面がスッキリ・さっぱりするので、驚くほど気持ちのいいものです。ぜひ挑戦してみましょう。

○「ペーパーがけ」の工程

1.テーブル天板の「木目の流れ」を確認します。
※磨き方向を間違えると新たなキズをつくってしまう可能性もあるため、この工程で最も重要な部分です。木目と流れと同じ方向に磨きます。

2.サンドペーパーの番数を決める。400~600番がよいでしょう。
※サンドペーパーの番号は、小さいほど目が粗いため、まずは小さい数字のものから徐々に番数を上げていきます。

3.サンドペーパーを3つ折りにし、天板に触れる面に人差し指と中指を添えるようにして持ちます。
※テーブルに水気が残っているとサンドペーパーはすぐに使えなくなるので、しっかりと乾拭きして乾くのを待ってから磨きます。

4.最初は端から木目に沿って、小さく、細かく、軽く往復させながら全体のばらつきが少なくなるよう、まんべんなく重ねて磨いていきます。
※木目に逆らったり丸く磨くのは絶対にNG!**「キズ」となって、後で取れなくなることもあります。
※ボールペンの跡など、特に消したい箇所は重点的に磨きつつ、周りとなじむように周辺も磨きましょう。

5.テーブルの端から端までをできれば二往復、少なくとも一往復は重ねて磨きます。

3.オイル塗装

さて、最後に仕上げのオイル塗装です。泡あらいの工程によって、付着した油分だけでなく表面のオイルも一緒に取れています。しっかりと保護しておきましょう。

○「オイル塗装」の工程

1.乾いたタオルで、ペーパーがけで生じた木の粉をキレイに拭きとります。

2.綿生地(Tシャツ生地)の布にオイルを染み込ませ、小さく円を描くように、また木目に沿って天板に刷り込んでいくように塗っていきます。
※ペーパーがけと同様にテーブル全体にまんべんなく塗ることが重要です。少しずつずらしながら何度も、前後左右を重ねるようにして、塗り残しがなくなるようにしましょう。

3.仕上げ拭きをします。乾いた布でテーブルの端から端まで大きなストロークで、木目に沿ってならします。

4.余ったオイルを布のキレイな面で拭き取り、塗り残しがないかを確認します。
※塗膜をつくるわけではないので、オイルを残しておく必要はありません。ベタつきの原因にもなるため、しっかりと木目に沿って拭き取りましょう。

5.オイルの染み込んだ布を捨てる。自然発火の危険があるため、ビニール袋に布を入れ、コップ一杯ほどの水をいれ、縛って捨ててください。

6.塗装後は1日しっかりと乾燥させてください。

以上で、メンテナンスの工程が終了です。最初は少し時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れれば簡単で、メンテナンス後のテーブル表面を見るのが楽しくなってきますよ。

最後に、普段からできるお手入れ方法をご紹介しておきます。日頃、こうしたことにちょっと気をつけておくだけで、さらにメンテナンスも楽になります。

・水のついたもの、熱いものは直接置かないでください。コースターや鍋敷き、ランチョンマットなどを使用するといいでしょう。
・醤油やワインなどをこぼしてしまった時は、すぐに「乾いた布巾」でしっかりと吸い取ります。その後固く絞った布巾で水拭きし、再度乾拭きをしてください。
・「水拭き」の回数は極力減らしてください。水拭きをする時は、その後に必ず乾拭きをします。拭く時は木目に沿って拭きましょう。
・薬品の含まれた化学ぞうきんなどは不自然なツヤの原因になるため、使わないでください。
・無垢の家具にメラミンスポンジを使ってヨゴレを落とそうとするとキズをつけてしまいますので、使わないでください。

テーブルは「水拭き」してはいけない!

「ヨゴレ」の最大原因がなにかみなさんはご存知でしょうか?それは意外にもみなさんが普段、テーブルを使用したあとに必ず行っている「水拭き」なのです。きれいにしているつもりなのにヨゴレの原因?と怪訝に思われる方も多いかもしれません。もちろん水拭きを一回するだけでヨゴレが溜まる、というわけではありません。

「水拭き」がヨゴレの原因となるのは、2つの理由があります。

1.実は水ぶきで「油よごれ」は取れない!

なじまないもの同士の代名詞でもある「水と油」。汚れの原因となる料理の多くにも油分を含んでいます。その他ほとんどのヨゴレは油分由来のものなのです。

濡らした布巾は当然水を含んでいるので、油などのヨゴレを吸い取ることができずにテーブルに広げて刷り込んでいるだけ、という事態が起こってしまいます。

そこでまずは乾いた布巾で油ヨゴレなどをしっかりと吸い取ってあげることが大切です。

2.水拭きを何百回と繰り返すと、テーブルに水垢が溜まる?

また〈ガラス塗装〉でも登場した「シリカ」は水道水にも含まれています。水に溶け込んだこのシリカは、濡れ布巾でテーブルに広げられ、乾くと岩石の成分として白っぽく目に見えるものになります。これが「水垢」の正体なのです。

年末の大掃除の時に、窓を水拭きした経験はありませんか。何度水拭きしても、窓に水の跡が残ってしまいます。あの水垢がテーブルの上に溜まっていってしまうのです。そこで「水拭き」と「乾拭き」の併用をおすすめします。水滴が残った窓も、その後に乾拭きをしてきれいにしているのと同じ要領で、テーブルの上に水垢が溜まるのを防いでくれます。

一度溜まってしまった「水垢」は、私たちでも苦戦してしまうほど厄介な存在。テーブルは「水拭き」してはいけない!というのはそんな理由からなのです。

やはり、普段の掃除に勝るメンテナンスはありません。食事のヨゴレには油分を吸い取ってくれる「から拭き」を強くお薦めします。 

「NHK あしたが変わるトリセツショー」でもご紹介されています。
くわしくはこちら

3つの塗料の特徴と
メンテナンスについて

塗料には大きく分けて浸透性/塗膜性の二種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットはありつつ、私たちは「メンテナンスができる」という最大の利点から「浸透性」の塗料をオススメしています。

塗料の選択では自然由来か化学系か、どちらが体にいいか悪いかというお話をよく聞くと思います。もちろんそれもあります。でも、テーブルを長く使いつなげていくとお手入れが必要になってくることがあるので、自分でメンテナンスできる塗料を選ぶことがとても大切です。

また木材の呼吸を妨げない点でも、「浸透性」塗料はおすすめできます。木材の香りに含まれる「フィトンチッド(Phytoncide)」にはたくさんの良い効果があることが分かってきているのです。フィトンチッドは、およそ100年前にロシアの研究者ボリス・トーキンによって発見された、植物が身を守るために揮発する物質です。

木そのものには抗菌性が備わっており、またそれだけでなく、人のストレスホルモンを低下させるリラックス効果と結びつけた研究もあります。つまり、木の呼吸を閉じ込めてしまうのはとてももったいないのです。

こうしたことをふまえて、それぞれを塗装したテーブルの特徴を詳しく見てみましょう。

オイル塗装

浸透性の代表例は〈オイル塗料〉です。木そのものの風合いや質感を残したまま、水をはじき汚れにくいテーブルにすることができるのが特徴。

そんなオイル塗料のなかでも、ヒダコレが使っているオイル〈リグナF〉をご紹介します。

玄玄塗料さんの〈リグナF〉は木の手触りを損なわない透明の国産オイルです。

木理(もくり)を強調しつつも自然な風合いに仕上がり、撥水・防汚性にも優れます。

成分はアマニオイルとミツロウのみ。人体に有害な成分を含まない植物系素材のみを用いているのも嬉しいですね。

気泡の発生や塗りムラによる剥がれなどの心配が少ない塗料です。

一方で、オイル塗装は完全にテーブルを保護するわけではありません。そこで一度、「メンテナンスしづらい」とはいえ保護力の高い塗膜性のメリットについてもいくつか確認しておきましょう。

ウレタン塗装

塗膜性の〈ウレタン塗装〉はテーブル表面にうすい膜をつくるので、木そのものにはシミがほとんどつきづらいのが特徴です。また、比較的テーブル表面が硬くなるため、キズもつきづらい。さらに、オイルやラッカー塗装と比べてカラーバリエーションも豊富です。

けれど、やはり長期的な視点に立てばメンテナンスができない〈ウレタン塗装〉はお薦めできません。

たとえば、ピアノの上で毎日食事をすることを想像してみましょう。キズの心配をしながら使うのはちょっと神経を使いますよね。塗膜のあるテーブルとはピアノのようなものに近いのです。たしかにすこしのことでは問題は起きないですが、いつか思いがけずキズができてしまった時には目も当てられません。

もし〈ウレタン塗装〉のテーブルにキズができてしまった場合には、すべての塗装を剥がして全面塗装しなければならないため、工場での修理が必要になります。運送費も掛かるから、結局新品を買った方が安い。なんてことにも。

といっても、せっかく買ったテーブルをしっかり守ってくれる塗料があるといいですよね。ここで高い保護性や防汚性をもちつつも浸透性の〈ガラス塗装〉をご紹介します。

ガラス塗装

シリカと呼ばれるケイ素を主成分とするセラミック塗料は、もともと文化財や建造物への落書き防止を目的として開発されました。

それが木製の家具にも有効であることに注目した兵庫の小さな会社が開発したのが、ここでお勧めするガラス塗料〈tatara〉(https://tatara-hanbai.com/)です。

「ガラス」と聞くと、せっかくの木のぬくもりが台無しになってしまうのでは?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、浸透させると木本来のさらりとした質感そのままで高い撥水性を見せてくれます。

オイル塗装の仕上がり感や木の呼吸性はそのままに、より高い耐久性や防汚性、抗菌性などを兼ね備えています。

特に、オイル塗装ではどうしてもできてしまう輪ジミへの対策としても有効であることが試験によって証明されています。

「シリカ」「シリコン」は、どこか化学合成物質のような印象も与えますが、自然界に豊富に存在し、人の骨や髪、皮膚などにも含まれる成分です。

〈tatara〉は、もちろん食品安全基準試験をクリアしており、カトラリーや酒器にも、またその不燃性から飛行機機内のカーテンやシートなどにも幅広く活用されています。

初心者でも簡単にムラなく仕上げることのできる作業性もあることから、ご自宅でのメンテナンスにも心配が不要です。難点を挙げるとすれば、オイル塗料と比べやや高価であることでしょうか。

いくら対策されていても特にキズやヨゴレがついてしまうのは仕方がないことです。

だからこそ、私たちは起きてしまった後にメンテナンス可能であるかどうかをもとにした塗装の選択をお勧めしています。

具体的なメンテナンス方法に移る前に、最近明らかになった「ヨゴレ」の新事実をお伝えしておきます。

テーブルのお困りごとは、この3つ

日常のさまざまな暮らしのシーンで、テーブルは汚れ、キズが付き、傷んでいきます。最初は気づかなくても、次第に小さな気がかりのようなものが重なっていき、テーブルの「お困りごと」へと変わります。

けれど、テーブルが傷ついたり汚れたりしないようにいつも気をもんでいると、「ダイニングテーブルを使わないのがいちばんの対策」なんてことになりかねません。大切なのは、汚れても、キズがついても、「またきれいにできる」という安心感の方ではないでしょうか。細かなルールや決まりごとをたくさん増やしていくより、心置きなく自由にどんどん使っていきましょう。

こうした安心感のために、まずはどんなお困りごとがあるのかを整理してみます。

テーブルのお困りごと、つまり傷みは大きく分ければ「シミ・キズ・ヨゴレ」この3つに集約され、それぞれ

・シミ:テーブル表面で起こる「化学反応」
・キズ:テーブル表面の「へこみ」
・ヨゴレ:テーブル表面の「付着」
と分けられます。もうすこし具体的に見ていきましょう。

テーブルのお困りごと、
「シミ」について

〈どんな時にできる?〉
・蒸し暑い日の昼間、冷えた麦茶が入ったコップをそのまま置いていた。
・鍋を囲んだ夜の翌朝、置きっぱなしにしていた卓上コンロに気がついた。

「シミ」とは、木の表面や導管(養分・水分などの通り道)の中で生じた「化学反応」です。よくある輪っか状のシミ(いわゆる輪ジミ)は、テーブル天板の表面の油分とコップ底の水の反応によって生じます。こうした表面的な輪ジミは、白っぽい色のシミになります。

一方で、より厄介なのが黒っぽいシミです。鉄などの金属と水が木の表面で起こす化学反応によるもので、テーブルの上に濡れた空き缶などを一晩中置きっぱなしにしてしまった…なんて時にできるシミです。ヘアカラー剤などの薬品によるものなんかもあります。

【注意!】これらのシミは、簡単なおうちメンテナンスの範囲ではなかなか消せず、〈修理〉が必要になります。

また、表面だけでなく、無垢の木の導管内で起きてしまう場合もあります。テーブル天板の木の中に水分が沁み込んだことによるもので、木の色より少し濃い濡れ色になることが多いです。この沁み込んでできたシミは、メンテナンスでいい感じになるのであまり気にする必要はありません。

ほかには熱によるヤケと呼ばれる跡があります。さすがに高温の鍋などを直接置く方はいないとは思いますが、熱によって表面の塗膜が融解したことにより変色が起きています。ただし「温かいコーヒーカップや湯呑を直接置いただけでもシミができた」と言われるようなケースは、熱そのものが原因ではなく熱された容器が底で起こした結露によって生じた水分がテーブル表面の油分と反応してできたものがほとんどです。前述の油分と水分との反応ですね。

テーブルのお困りごと、
「キズ」について

〈どんな時にできる?〉
・突然の電話対応で慌てて強く裏紙にメモを書きつけてしまった。
・朝食時に知らず知らずカフスボタンが当たっていた。

「キズ」とは、改めて書けばテーブルの表面に加えられた力でできた「へこみ」や「くぼみ」、「削れ」などとなります。大きな当たり傷(へこみ)ができてしまったり、湯呑の裏がザラザラだったり、カバンの裏の金具で擦ってしまったとかで、できる擦り傷や目に見えないヘアラインのキズなどが挙げられます。柔らかなスギやヒノキ、イチョウなどの場合には、特に注意が必要です。

ただし前章でも触れたとおり、キズは適切に残すことでむしろ愛着に変わる可能性のあるものです。付けるつもりはなくても、突然できてしまうのがキズ…。その時には気落ちしてしまうかもしれませんが、メンテナンス次第では独特な味にも変えていけます。

テーブルのお困りごと、
「ヨゴレ」について

〈どんな時にできる?〉
・楽しい夜に、赤ワインをこぼしてしまった。
・目を離した隙に、子どものマジックペンがお絵かき帳からはみ出していた。

「ヨゴレ」は、普段づかいでもっとも目にするものではないでしょうか。とは言っても、実はもっとも見えづらく、気付きづらいテーブルの傷みでもあります。食べこぼしや飲みこぼしは大体見ればすぐに分かるヨゴレですね。マジックやボールペンなどの筆記具や新聞のインクうつりなども挙げられます。

しかし見えづらいヨゴレの最大の原因の一つは、意外にも「テーブルの水拭き」。清潔に保つために行っているはずの「水拭き」こそが、シミよごれの最大原因となりうることが分かってきました。この「水拭きはしてはいけない」については、こちら(No.3 リンク)で詳しくお話しすることにします。

テーブルの傷みの原因である「シミ」「キズ」「ヨゴレ」も、長くテーブルと一緒に過ごした日々があったからこそです。実はこの傷みによる「暮らしの跡」があるからこそ、新品より使い込んだ道具の方が愛着が湧くとも言えます。さて、ここまででお困りごとの原因を整理してきました。ここからは、テーブル表面に塗られた「塗料」についてお話ししたいと思います。

大切な家具をもっと大切にする

家具を大切にする。って「たくさん使うことだ」と私たちは思っています。たくさんドシドシ使っていると、当然汚れるし傷みも出てくるもの。家具を単なる消耗品だと考えると、古くなったり傷んできたら「そろそろ買い替えよー」って気持ちにもなりますよね。ただやっぱりもう簡単に物を捨てる時代ではないと思います。ヒダコレでは、みなさんに「この家具は捨てたくない」って思ってもらえるようにするためには何ができるだろう、と考えてみました。

実は「テーブルの傷み」は簡単なメンテナンス作業でかなりきれいにすることができます。あくまでもみなさんに「たくさんドシドシ使ってほしい」。ならば、できてしまった「テーブルの傷み」をみなさん自身できれいにしてもらったらいいんだ!と気づきました。

ぜひみなさんに、簡単にできるテーブルのメンテナンスを知っていただきたいと思います。

「メンテナンスする暮らし」とは、つまるところ手間をかけることそのものが楽しみとなる暮らしです。たまにそこに居る家具を気にかけ、すこしの手間をかける。それが楽しみであると知っている。そんな、とても身近なところから始まる家具との関わり方です。

せっかく選んでもらった大切なテーブルだから、できれば愛着を持ち続けてほしい。これは私たち作り手の願いです。たくさん使うほどにこれまでよりもっと大切な家具に育ててほしい。でもまったく難しくなくて、ちょっとした視点を持って、また誰でも簡単にできる作業だけで、自分の家具にもっと愛着が湧き、さらに大切な存在に変わっていきます。

私たちは〈メンテナンス〉を、ご家庭の「お部屋でできる範囲の作業」と定義します。わざわざテーブルを動かす必要はなく専用の工具もほとんど要らないため、簡単にできてしまいます。そんなひと手間、小さな技術をこの記事ではご紹介します。ちなみに、「お部屋ではできそうもない作業」は〈修理〉として棲み分け、その場合には工房へ持ち帰りきれいに修理して再納品させていただく工程をご提案しています。

さて。こうした〈メンテナンス〉や〈修理〉によって、「もう汚くなってしまったから」「古くなってしまったから」という理由で捨ててしまうテーブルを救うことはできるかもしれません。しかし、そもそも私たちが勧める〈メンテナンス〉は、元の新品同様に戻すためにしているわけでもありません。

長くテーブルを使っているとシミや汚れがついたり、キズが付いたりします。それらの中にはお子さんがまだ小さなころに噛んだキズだったり、初めて書いた落書きだったり、よくみると思い出の一コマもたくさんありますよね。

こうした長い時間の積み重ねは使い込んだ風合いとなって、更に素敵なテーブルになっていくものです。今までのテーブルのキズや傷みを残しつつ、すべてをきれいさっぱり無くしてしまうことではなく「愛着」として昇華させること。

でも、毎日の忙しい暮らしの中で、愛着を保ち続けるのは時に難しい。だからこそ、愛着を時々「思い出す」ためのひと手間や、そのひと手間が楽しくなるようなお手伝いを私たちはしたいと思っています。

テーブルはいつも家のまんなかにひっそりと居ます。楽しい時間のみんなの笑顔のために。すこしつかれたあなたをやさしく受け止めるために。

No.1では、これまで私たちに寄せられたテーブルのお困りごとを「シミ、キズ、ヨゴレ」に分類し、まずはメンテナンスよりも前になされる「塗料の選択」が重要であることを整理します。

お困りごとの原因が、実は意外な毎日の習慣にあったことをご紹介したのが、No.2。お使いいただくなかで、そもそもお困りごとを増やさない工夫ができるのです。

そして、No.3では具体的なメンテナンス方法について、各工程をだれでも簡単にできるようわかりやすく解説しています。

最後にNo.4では、すこし広い視点から〈メンテナンス〉の可能性をお話ししています。

ヒダコレ家具が発信する「ヒダコレノート」は、いつでも使えるインフラのような存在を目指しています。

気になったページから、気軽にお読みください。

4/26(金) – 5/28(火)
一枚板テーブル展を開催します

ヒダコレ家具には、全国から集められた一枚板がたくさん揃っています。
ダイナミックな曲線の木目が特徴のケヤキをはじめ、きらきらとした杢が美しいトチや優しい雰囲気のあるクスなど。どれも唯一無二の存在感ある一点物です。
その一枚板を皆さまに見て、触れていただけたらという想いから、『一枚板テーブル展』を開催いたします。10人掛け用の大きなダイニングテーブルや、カウンター・デスクにぴったりサイズの一枚板など。個性豊かな形、表情の一枚板をぜひ見にきてください。

★期間中一枚板をご成約いただいた方へ、下記のいずれかお好きな方をプレゼント!

①飛騨の広葉樹で作ったオリジナルカッティングボード

②木製ミニツリー製作キット

★無料テーブルメンテナンス講習会を開催します
無垢材でできた家具は、自然の風合いや温かみを感じることができ、使い込むほどに愛着が増していきます。
オイル塗装の家具は、定期的にメンテナンスをすることによって長くご愛用いただけるのですが、メンテナンスというと、どうしても「難しそう」「面倒だなぁ」と思われてしまう方もいらっしゃるようです。
そこで、おうちで簡単にできる無料メンテナンス講習会を開催いたします。


まずは「テーブルを泡で洗う」簡単な作業から始まります。

★無料テーブルメンテナンス講習会のご予約について
【日時】①5/11㈯ 11:00~ ②5/18㈯ 11:00~
【場所】ヒダコレ家具店舗前

★無料テーブルメンテナンス講習会 当日の流れ
①メンテナンスについての講義(10分ほど)
②実際にメンテナンス作業をしてみます(20分ほど)
③作業の後はお茶を飲みながら質疑応答(10分ほど)
(全行程を1時間程度で予定しています)

※予約制となります。①②どちらかご都合のいい日時で下記からご予約ください。
TEL: 0120-690-315
MAIL: info@hida-collection.shop

※メンテナンスしたい物をお持ちいただいても結構です。(ご自身でお持ちいただける小さなテーブルやカッティングボードなど、オイル塗装の木製品)

おうちで簡単にできるメンテナンス方法については、こちらでもご紹介しています。
[YouTubeで公開中] おうちで簡単にできる / 一枚板と無垢テーブルのメンテナンス

店舗、リニューアルしました
エントランス編

2022年12月16日、直営ショップの店舗名を「HIDA・COLLECTIONくらしの制作所」から「ヒダコレ家具」と改め、地元飛騨の森や地域、そして家具づくりとの繋がりを考えられるお店を目指しエントランス・内装をリニューアルしました。

今回からいくつかに分けてお送りする「店舗、リニューアルしました。」の第一回です。初回になるエントランス編では、お店の顔になるエントランスのリニューアルについてお伝えできたらと思います。

エントランスのリニューアルで一番変化が分かりやすいのがお店の明るさです。リニューアル前は車道との間に壁があり、薄暗い印象でしたが、思い切って壁をなくすことで明るい空間になりました。全体的に明るく、見通しの良いエントランスになったと思います。

明るい印象になったエントランスで何ができるか、ヒダコレのスタッフみんなで考えて、新しくベンチやデッキをつくることにしました。ヒダコレでは「森のベンチ」「無垢の木のデッキ」と呼んでいます。

ベンチに腰掛けながらお喋りしたり、近所のパン屋さんでパンを買ってきて食べたり、縁側のような場所にしたいと考えています。

森のベンチは什器や丸太の展示をずらりと囲むように。街の中でも森を感じていただきながらゆっくり休憩できるベンチを作りました。

ベンチ部分は、ブロックを積み上げて、座面にモミの木の板を選びました。ブロックが基礎にありながらも、優しい雰囲気になりました。こう言うところも木の良いところだと思います。

無垢の木のデッキは、耳付きの自然木をそのまま使ってデッキを作りました。全て飛騨の森で育った広葉樹です。広く取ったデッキではお子さんがお絵描きをしたり、ワークショップの開催も考えています。

森のベンチ、無垢の木のデッキは休憩場所、憩いの場としてご利用いただいています。お客様や観光客の方、ご近所のおじいちゃん、おばあちゃんも散歩の途中で一休みされている姿が映ります。

今回のリニューアルで天井や柱、壁を白く塗り替えました。店内の商品や、店舗を横断する什器がよく映るようになったのもそうですが、お客様が足を運びやすい印象になったことがとても嬉しいです。

サインも一新して、遠くからでも、車の中から見ても、すぐにヒダコレだと分かってもらえるようシンプルにロゴを見せるサインにしています。

最後は、ヒダコレがずっと欲しかった小さな丸太の展示。ここに展示されている丸太も元は森の一部として生きていた丸太です。分かっているはずだけど、いつもの生活で考えることはあまりないかもしれませんね。

丸太の展示は、森と暮らしが繋がっているということを、より身近に感じてほしいという思いで作りました。丸太ってあまりみないですよね?興味本位でぜひ見にいらして、実際に触ってみてください。

ヒダコレ家具は、木材を材料と思うだけではなくて、元々は丸太で、森で木として生きていたことを考えながら家具づくりをしたいのです。自然や社会、そしてこの飛騨高山という地域に少しでも「つくる責任」を果たせるようにと考えています。

使いたいと手に取った物が、どこで生まれ育ったものを材料にし、どんな人たちによって作られた物なのか。これは本当に必要かな、いつまで使って、使った先はどうするのかな。など、物を一つ取り上げても、考えることは沢山あります。この丸太の展示が皆さんの考えるきっかけの一つになれば嬉しいです。

新しくなったヒダコレ家具でお待ちしております。

次回は、1階内装編です。

店舗、リニューアルしました
1階内装編

2022年12月16日、直営ショップの店舗名を「HIDA・COLLECTIONくらしの制作所」から「ヒダコレ家具」と改め、地元飛騨の森や地域、そして家具づくりとの繋がりを考えられるお店を目指しエントランス・内装をリニューアルしました。

前回の「店舗、リニューアルしました。エントランス編」に続いて、今回は店舗1階のリニューアルについて。

店舗リニューアルの一番大きなポイントになった店内を斜めに横断する什器をご紹介させてください。

この什器は、稲架(ハサ)と農業で使われる鉄のパイプ、広葉樹の木で作りました。

今ではお米を作る時に”ハサ掛け”をすることが少なくなっています。昔からお米作りをされている農家さんには先祖代々受け継がれてきたハサが沢山残っていたんですね。この稲架を何かに使えないかな?と設計士さんが提案してくださいました。里山や自然を身近に感じられる什器ができ、とても嬉しく思います。

什器内に見える角材は広葉樹の木です。この木は家具を作った残りの木を使うことにしました。木といっても様々な種類があります。それぞれの角材に特徴を書いてみました。全部同じ”木”ではないことが分かるとより家具を好きになってもらえる、そんな気がしています。

この什器をお店の中心にし、お店に並ぶ家具や一枚板である木が、どのような姿・形で地に根を下ろしていたのかを考えていただけるようなお店づくりを目指しました。

一枚板をお探しになっているお客様の中には「もう少し幅の広いのない?」「節はこんな感じが良い」など具体的なこだわりを持ってお探しになっていることも少なくありません。

幅が広く成長するために掛かる年月、節はどのようにしてできるのか、を少しでも感じ取っていただけると、ヒダコレ家具はとても嬉しいのです。「家具への愛着を持っていただきたい」というヒダコレ家具の思いがあります。そんな思いを店舗を横断し、どこからでも見えるこの什器に込めました。

什器を中心にした店舗1階のポイントは、お客様が居心地良く、考え事ができる空間を目指した事です。1番にお客様の暮らしを考る場所であるために「お客様に寄り添うってどういうこと?」「どういう空間だと愛着をもって家具を選べるかな?」など、スタッフで話し合いながら、一つ一つ決めていきました。

そして、ヒダコレ家具でお馴染みの「一枚板の家具」や、飛騨で活動する作家さんの作品を集めた「飛騨の手仕事」。さらに今回のリニューアルで新しく「小さな図書館」を作りました。

店内奥の壁面には、多くの一枚板を木の表情が分かりやすいように並べています。

一枚板は一つ一つ表情が違うので、お客様がお気に入りの一枚板をお選びいただけるよう、見やすく分かりやすい並べ方にもスタッフのこだわりが詰まっています。

多くの一枚板からお気に入りが見つかるように、壁にそのまま立てかけるのではなく、少し角度をつけて立てかける什器もスタッフのこだわりです。

ヒダコレ家具がずっと取り組んでいることがあります。それが飛騨の手仕事です。

飛騨の匠の歴史から続く工芸・民芸の文化と、飛騨の豊かな自然の中で丁寧につくられた作品には、作家さんの個性と温かみが溢れています。

木工や陶芸、ガラスなど様々な作家さんが一つ一つ思いを込めて、手作業で丁寧に作っているクラフト作品を知っていただき、”ちょっと暮らしや心が豊かになるような”飛騨のいいものに触れてもらいたいという思いがあります。

そんな飛騨の手仕事では、作品を一つ一つスタッフが直接セレクトしています。気になる作品がありましたら是非ご説明させてください。作品との良い出会いのお手伝いができると嬉しいです。

新しく作った小さな図書館は、少しずつですが「暮らしを考えるヒント」になる本を集めようと思っています。

小さな図書館は自由に使っていただきたい場所です。例えば、本を読んだり、お子さんがお絵描きしたり、座って店内を眺めたり。どんな使われ方がするのかスタッフもドキドキの小さな図書館です。

名前はまだありません、これから皆さんと一緒につくっていきたい。そんな場所です。

ちょっと余談。

店内のリニューアルから少し遅れて、お会計・ご相談カウンターができました。前は奥まった位置にあったので分かりにくかったですが、今回のカウンターでお客様が迷うことも少なくなったかな?と思います。

暮らしのことや森のこと、お客様と一緒に家具づくりのことを考えられるお店に少しでも近づけたかなと思っています。

家具だけではなく、作家さんの作品や、少し暮らしについて考えたいという時も、是非ふらっとお立ち寄りください。

新しくなったヒダコレ家具でお待ちしております。